自動車保険を掛けるとき、車両保険が高くてビックリ!「つけるのをやめようか?」と悩むこともあるかと思います。この記事では、そんな悩みをスッキリ解決すべく、「車両保険は本当に必要なのか?」をケース別に分かりやすく解説しました。参考にして頂けましたら幸いです。
そもそも車両保険ってどんな補償?
車両保険とは、契約している車が衝突や接触などによって損害を受けた場合に、その修理費用などを補償する保険です。また車両保険には2種類あり、補償の範囲が広いもの「一般」タイプと補償の範囲が狭いもの「危険限定」タイプがあり、当然ですが、補償範囲が広いものが保険料は高くなります。
対象となる事故の範囲 | 一般タイプ | 危険限定タイプ |
車やバイク(相手車両が確認できる場合)との衝突・接触 | ○ | ○ |
自転車との衝突・接触 | ○ | × |
電柱・建物などとの衝突や接触(単独事故) | ○ | × |
あて逃げ | ○ | × |
転覆・墜落 | ○ | × |
火災・爆発・台風・洪水・高潮など | ○ | ○ |
盗難・いたずら・落書き | ○ | ○ |
窓ガラスの損害・飛び石による損害 | ○ | ○ |
※地震、噴火、津波を補償するには「地震、噴火、津波特約」の付帯が必要です。※「危険限定」タイプは、保険会社によって 対象となる事故の範囲 が違う場合があります。※ここでは「一般」タイプ、「危険限定」タイプ、「地震・噴火・津波一時金払」特約 と呼んでいますが、保険会社により呼称に違いがあります。詳細は各保険会社のHP等で確認をしてください。
高級車または新車の場合

ちこさーん、聞いてください。前から欲しかった車をついに買ったんです!来月納車でなんですよ♡

それは待ち遠しいわね。でも浮かれすぎて、「車両入れ替えの手続きを忘れた!」なんてことにならないよう気を付けてね!

もちろん分かっていますよ。というか、先日、入れ替えたあとの保険料の試算してもらったんです。

あら、そうだったの!感心!感心!

今まで車両保険はつけてなかったんだけど・・・今回は新車だし、ローンもあるし、車両保険をつけて試算してもらったのですが・・・

万が一のことをちゃんと考えているのね。偉い偉い!

でも車両保険をつけると、保険料が高くて・・・(;’∀’) そもそも車両保険って本当に必要かな?

車両保険が必要かは、その人の状況や考え方によるわ。ではどんな人に必要でどんな人に不要か、実際に事故があった時を想像しながら車両保険について考えてみましょう。

まず高級車の場合だけど・・・ちょっとした事故でも高額になることがあるの。例えば飛び石で、フロントガラスの交換が必要になった場合、修理費に20万円以上かかったりすることもあるのよ。高額の修理費を自己負担できる人なら別だけど、そうでないなら車両保険はあった方がいいわね。

そっかー。・・・って、いや、僕の車はそんなに高級車じゃないから(;’∀’)

じゃあ、ローンはあるかしら。

うん。結構な金額のローンを組んじゃった

そうすると、車を盗まれたり、事故で全損になったりしたら・・・車はないのに、ローンだけが残ることになるわね。

でも車両保険があれば、受け取った保険金で、ローン返済に充てることもできるわね。

・・・おお、それは助かる!

ローンが相当残っているなら、つけておいた方がいいわね

なるほどー!
10年目以降の古い車の場合
車両保険の保険金額(お支払いする保険金の限度額)は契約時の車の時価額相当で決められます。新車の時は、「(車両本体価格+付属品)×消費税」で保険金額を設定できるので、十分な補償となりますが、年数が経つほど車の価値が下がり、保険金額も低くなっていきます。
一般に車の価値は10年程度でなくなると言われていますので、古い車の場合は、保険金額が10万円や20万円などとなってしまうことも。金額が低い場合は、車両保険をはずして保険料を抑え、“いざという時は自腹で対応する”という考えもよいでしょう。
みんなはどうしてる? ケース別の意見を紹介

Aさん
新車購入から5年目。まだまだ車両保険金額が高く設定できている。
5年落ちの車だからと言って、修理代が安くなるわけではないからつけています。

Bさん
通勤に使っている6年落ちの車。事故で全損の場合は代わりの車購入しなければなりません。車両保険があれば買替え費用の足しできるからつけてますよ。

7年乗った車。今年の保険金額は30万円になってしまった。MAXでこの金額の補償しかないなら、貯蓄から賄うことが出来るので、車両保険を外します。

Dさん
多少の傷なら気にならないから修理しません。万が一全損のときでも、安い中古車を貯金で買うから車両保険はいらないかな。
車両保険を安くするには?
車両保険の免責金額とは、その損害額に対する補償のうち補償を受けられる方が自己負担する金額のことをいいます。その自己負担額が高いほど、保険料は抑えられるということになります。
免責金額のパターン:車両保険をセットするさいに免責金額(自己負担額)のパターンを選択します。例えば免責金額のパターンを「5-10」を選択した場合、保険期間中1回目の車両保険の請求で、車の修理費用が50万円と認定されれば45万円が保険からおり、残りの5万円は自己負担です。(ただし全損時は、免責金額は差し引かず保険金の限度額を支払います。)
保険料 | 免責金額のパターン | 1回目の事故 | 2回目以降の事故 |
高い | 0-10 | 0円 | 10万円 |
⇧ | 5(0)-10 | 5万円 (車対車の事故に限り0円) |
10万円 |
⇧ | 5–5 | 5万円 | 5万円 |
⇩ | 5-10 | 5万円 | 10万円 |
⇩ | 10-10 | 10万円 | 10万円 |
安い | 15-15 | 15万円 | 15万円 |

免責金を設定するさいは、「自己負担額をどれくらいまで許容できるか?」で選択しましょうね。

いざという時に自己負担は少なめのほうが助かるな。でも保険料とのバランスを考えると・・・5-10のパターンなら、僕の許容範囲かな。

同じ条件であっても、保険会社によって保険料は異なるわ。更新のタイミングなどで、複数の保険会社に見積もりを出してもらい、条件や保険料を比較して保険会社を乗り換えることを検討するのも、節約につながるわね!
まとめ
車両保険はともすると、その保険料だけに目が行きがちですが、自分の今の状況を踏まえて加入を判断しましょう。万が一車を失ったとき、ローンがまだ相当あるといった場合など、車両保険金が今後の家計を守ることにもなります。
それに対し、貯蓄等が十分ににあり、車両保険なしでも修理費用や次の車の購入費用が捻出できたり、ローンがある場合はローンの完済ができるのであれば、車両保険は不要でしょう。

いかがでしたか。車両保険をつける、つけないについて、基本的な考え方をご理解いただけたでしょうか。様々なケースを参考に、ご自身の状況に応じて、最適なプランニングをしていただければ、嬉しいです。
コメント