人身傷害保険は、自動車事故などによりケガや死亡した際の損害を補償する特約です。入通院の治療費はもちろん休業損害なども補償します。ですから保険金額(補償の限度額)は被保険者(補償の対象となる方)の年齢・収入・家族構成などを考慮して選ぶ必要があります。でもそういわれても、いくらにしたらよいのか見当がつかないですよね。この記事では保険金額はいくらにすればよいのかの目安と、搭乗者傷害保険注1とはどう違うのかを分かりやすく、また補償が重複しないよう注意点も解説しました。
注1:保険会社によって呼称に違い(例:傷害一時金等)や、補償内容に違いがあります。詳細は各保険社にお尋ねください。
人身傷害保険ってどんな補償?
「自動車保険 ムダを省いて安く加入する9つの方法」を読んでから、見積もりを取ったよ。同居のお父さんの20等級を譲ってもらうので、保険料が5割ほど安くなったんだ。
人身傷害保険:補償内容
入院・通院 | 後遺障害 | 死亡 |
治療費 | 入、通院の治療費 | 入、通院の治療費 |
休業損害 | 逸失利益(労働能力喪失で失う将来の収入) | 逸失利益(死亡により喪失した将来の収入) |
精神的損害 | 精神的損害 | 精神的損害 |
将来の介護費用 | 葬儀費 |
搭乗者傷害保険ってどんな補償?
契約車両に搭乗中の事故で 自身や同乗者がケガをしたとき、あらかじめ決められた金額を支払う特約よ。ケガで4日以内の通院なら1万円、5日以上なら、ケガの部位や程度に応じて決められた金額(10〜100万円)が支払われる、というようなイメージ注2ね。
注1:保険会社によって呼称に違いがあります。
注2:一例です。保険会社によって補償に違いがあります。
死亡保険金お支払いのイメージ:契約者が家族とドライブ中、事故を起こし同乗の家族とともに 亡くなってしまった場合
保険種類 | 契約者:大学生 | 父親:医師 | 母親:無職 | |
搭乗者傷害保険 (保険金額:1,000万円) |
1,000万円 | 1,000万円 | 1,000万円 | 年令や収入に関わらず同一 |
人身傷害保険 (保険金額:10,000万円) |
5,000万円 | 10,000万円 | 4,000万円 | 年令や収入等によって算出されるため 人によって違う |
人身傷害保険の保険金額はいくらにしたらいい?
※年収400万円の場合
年齢 | 扶養家族の有無 | 損害額(死亡の場合) |
25歳 | 独身 | 約5,100万円 |
夫婦 | 約6,200万円 | |
30歳 | 独身 | 約5,000万円 |
夫婦 | 約6,000万円 | |
夫婦+1名 | 約6,400万円 | |
35歳 | 独身 | 約4,800万円 |
夫婦 | 約5,800万円 | |
夫婦+1名 | 約6,100万円 | |
夫婦+2名以上 | 約6,400万円 |

…年収がもっとある人や扶養する家族が多い人はもっと多めに、子供が独立して扶養する必要がなくなったら少なめにすればいいんだね!

そうね。保険会社やその人の持つ等級などにもよるけど、人身傷害の保険金額は1,000万円が違うだけで結構保険料が違うから、必要以上の保険金額を設定しなくてもいいのよ。

オッケー!
人身傷害保険「自動車事故」タイプは 契約の重複に注意!
引用:SBI損保公式HP
注1:家族
・記名被保険者(契約車両を主に運転する方で補償の中心となる方。契約時に設定する。)
・記名被保険者の配偶者
・記名被保険者またはその配偶者の同居の親族
・記名被保険者またはその配偶者の別居の未婚(婚姻歴なし)の子
まとめ
■人身傷害保険の保険金額(補償限度額)は被保険者(補償を受ける人)の年令や年収、扶養する家族の有無で決める必要があり、1,000万円~無制限の間(1,000万円刻み)から選択する。例として30才独身、年収400万円なら5,000万円がお勧め。
■搭乗者傷害保険は入通院の日数や後遺障害、死亡時にあらかじめ決められた金額を支払う特約。それに対し、人身傷害保険は治療費、休業損害、精神的損害、逸失利益など、実際に発生した損害(実損)を補填するので、補償範囲が広い。
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