車の保険 使った方が得か?損か?はどうやって判断する?

breakeven point 自動車保険

うっかり車をぶつけてしまった経験はありますか? 電柱や縁石、ガードレールなど、相手が物でひとり相撲。けが人がなかったのはよかったけれど、車にかっこ悪いキズや凹みができてしまい、大ショック! あ、そうだ!車両保険(自損もOKなタイプ)に入ってたから保険がおりるかな? でも10万円以下の修理なら保険を使わない方がいいって聞いたような??・・・なんていろいろな考えが頭をよぎりますよね

この記事ではそんな迷えるあなたに保険使用の損益分岐点について解説。お役に立てれば幸いです

損益分岐点はひとそれぞれ

「修理費が10万円以下なら保険を使わない方がいい」なんてウワサ、聞いたことがありますか?

ですが!・・・それは都市伝説!!

保険を使うと得か?損か?は保険料と等級が大きく関わります

そして保険料も等級も人によって違うので、損益分岐点は一律ではありません

「へぇそうなんだ。で、保険料は分かるけど等級ってなに?」という方も多いのでは?

自動車保険の等級とは、事故のあるなしで保険料の割り増し引きを決めるもの。1等級から20等級まであり、等級の数字が大きいほど保険料の割引率がよくなります

三井住友海上㈱公式HPより引用


初めて自動車保険に入るときは6等級スタート。保険期間中に事故がなければ、契約更新時に等級がひとつ進み、7等級になります。ただし車両保険や対人、対物保険などの支払いを受けた場合は事故1件につき、3等級ダウン(車両保険のみの支払いなら、事故類型により1等級ダウンの場合もあり)します

参考:等級別割引制度/保険期間中、無事故であれば事故無割引率の適用。事故有なら事故有割引率が適用され、ダウンする等級と同じ年数分(最大6年まで)、事故有割引率の適用となります。(保険期間1年の場合)

等級 事故有割引率 無事故割引率
20等級 ▲44% ▲63%
19等級 ▲42% ▲55%
18等級 ▲40% ▲54%
17等級 ▲38% ▲53%
16等級 ▲36% ▲52%
15等級 ▲33% ▲51%
14等級 ▲31% ▲50%
13等級 ▲29% ▲49%
12等級 ▲27% ▲48%
11等級 ▲25% ▲47%
10等級 ▲23% ▲45%
9等級 ▲22% ▲43%
8等級 ▲21% ▲40%
7等級 ▲20% ▲30%
6等級 ▲19%
5等級 ▲13%
4等級 ▲2%
3等級 12%
2等級 28%
1等級 64%

ノンフリート等級 料率表(継続の場合)※保険会社によって料率が違う場合や、料率を公開していない場合があります

あなたの等級は?

等級の仕組みは何となく分かったけど、自分の等級が何等級か分からない・・・という方は保険証券を確認してみましょう!

証券のフォーマットは各社さまざま。等級の記載がどこなのか?一律ではありませんが、必ずあるはず。例をあげておきますので、参考にしてくださいね

保険会社に連絡しよう

さて、保険の知識を少し得たところで、保険会社に今回の事故の報告をしましょう。大丈夫、事故の報告をしただけでは保険を使ったことになりません

報告後、事故の担当者が決まり次第、あなたに電話がはいります。で、補償内容の説明と、今回保険を使った場合と使わなかった場合の向こう3年間の保険料差額も教えてくれます

その差額と修理費を比較して修理費が大きく上回るようなら保険使用をしてもよいでしょう。(後述しますが、それでも使わない方がよい場合もあります)

修理費が下回るなら保険使用は損です。事情が許せば請求放棄(ノークレーム)にしましょう(保険金受取後は、たとえ返金してもノークレームにできません。ご注意を!)

車両保険に免責金(自己負担金)の設定をしている場合は、保険料差額+免責金が損益分岐点になります

見積もりをとってみよう

懇意にしている修理工場があり、ほかの工場は考えていない、という方は別として・・・

保険はなるべく使いたくない! 修理費はできるだけ安く抑えたい!という方は多いと思います。 そんな場合は、いくつか信頼のおける修理工場で合い見積もりを取るのもおすすめ。修理工場でこんなにも違うの??ということもありますよ!

あるいは仕上がりに特別なこだわりがないなら、簡易修理で済ませたり中古部品を使うのもあり!簡易修理可能か?中古部品が見つかるか?は修理工場にご相談を! もしかしたら保険を使わずにすむかもしれません

また、どこで修理したらいいのか分からない!という方は、保険会社の担当に相談してみてはいかがでしょう?多くの保険会社で提携する修理工場があり、紹介してくれるはず

提携工場は保険会社の厳しい審査に合格した工場。修理期間中の代車も提供してくれるところがほとんどなので、毎日の生活に車は必需品!という方にはありがたいですよね

もちろん、提携工場で修理したからと言って保険を使わないといけない、ということはありません。使わない場合は自腹で支払いを済ませて、保険は請求放棄(ノークレーム)にしましょう

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3年間だけじゃない 差額は20等級まで続く

さてここまで3年間の保険料の差額と修理費について述べてきましたが・・・

よーく考えて下さい。保険会社に教えてもらう保険料の差額は、事故時の等級に戻るまでの3年(または1年)間の差額

等級は20等級まであるので、事故時の等級が20等級でない限り、保険料の差は20等級になるまでずっと続きます

なので、保険会社に連絡しよう で述べた通り、3年(または1年)間の保険料の差額より修理費が大きく上回らないようなら保険使用は避けたほうが賢明なのです

長期間の差額計算に意味はない

それなら、20等級までの差と修理費を比較すればいいのでは?と思った方はいらっしゃいますか?

しかし例えば、20等級に戻るまでに6年あったらどうでしょう?保険会社は毎年保険料の見直しを行ってますし、何かの改定があるかもしれません。また、あなた自身が保険の条件を変えるかもしれませんし、車を買い替えるかもしれません

そうした場合、当然保険料の差額も変わります

ですからあまり長期間の差額は、計算しても意味はないのです

考え方ひとつ

また保険料の差額より修理費が下回るのに、保険を使う方も稀にいらっしゃいまして、そういった方にお話を伺うと

「今その修理費を自分で用意できない。保険料が高くなっても、修理費のためのローンを組んだ、と考えればいいからね」

とおっしゃいます

なるほど、一理あります。自身のニーズに合わせ柔軟に考えるのも、もちろんありですね

それでも使わない方がいい場合

それでも保険を使うと1等級になってしまう方、直近で事故が複数回あった方は、可能であれば保険使用を控えたほうがよいでしょう

1等級ともなれば事故多発者とみなされ、保険を引き受ける側としてはリスキーな契約者です。ですから、保険の更新時に引き受けを拒否されるかも知れません。(良くて条件付き・・・対人、対物保険のみとか、対人保険のみとかの引き受け)

それなら保険会社を変えよう!としても、引き受けてくれる保険会社もあまりないでしょう(等級の情報は保険会社間で共有されています)

ですのでこのような場合は、次の契約の引き受けについて担当者によく説明をしてもらったうえで、保険使用を決めたいものです

まとめ

いかがでしたか

巷で言われている「修理費が○○円だったら保険使用はやめた方がいい」は都市伝説。個々人で損益分岐点は違います

まずは保険会社への連絡し、自分の損益分岐点はいくらなのか?教えて貰うことが大事です。そして修理見積と比較し、保険使用が有益であるか?を検討しましょう

この記事が皆様のお役に立てれば幸いです

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